こんにちは、かっぱ橋の飯田屋6代目の飯田結太です。

皆さん、揚げ鍋ってご存知でしょうか。

揚げ物専用の鍋として使われ、揚げ鍋の他に天ぷら鍋と呼ばれることも有ります。

今日もかっぱ橋の飯田屋でお客様から「自分に合った揚げ鍋の選び方」について問い合わせがありましたが、自分に合った揚げ鍋を見極めるのはなかなか難しいもの。

揚げ物を選ぶときは

1.「揚げ鍋の形状」
2.「鍋に使われる金属板の厚み」
3.「鍋の材質」

この3つから判断していくことになります。

今日は、美味しく揚げ物がつくるための揚げ鍋の選び方についてお話していきたいと思います!

 

 

そもそも美味しく揚げ物をつくるためにはどうすればいいのか


揚げ物を美味しく調理するのに最も重要なポイントは「いかに油を狙った温度(適温)に保てるか」ということです。

食材を美味しく揚げるためには、油の温度を食材ごとの適温にいかに適温に保つかということが大切!

揚げ物は食材により美味しく揚がる適温があります。

これは食材によって厚みや水分量が違うため、火が通りやすさが違うからです。

油の温度が高かったり低かったりと別々の状態で揚げ物をしてしまうと、ベチャベチャになってしまったり焦げてしまったりと、まず美味しく揚げることはできません。

美味しく揚げ物をつくるには、食材事の適温に油の温度を保つことが重要となります。

 

油が水より冷めやすいって本当?

 

油は火をかけるとグツグツと煮えたぎり、見た目の迫力からも一度熱くなったら冷めにくいと思われがちです。

しかし油は、【比熱】と呼ばれる「熱しやすさ&冷めやすさ」を数字として量る指標で見てみると、

水を1とした場合、油は0.47。

なんと水に比べて、倍近く油は「熱せられやすく、冷めてしまいやすい」性質があるんです。

言い換えると油の温度を上げるには、水の温度を上げる半分の熱を加えるだけで済んでしまうということ。

水の半分の熱量を奪われただけで油の温度は下がってしまうということなんです。

昔から「油が温まりやすく、冷めやすい」と言われているのは本当で、それは油の比熱が小さいからなんです。

油は冷めやすく、美味しい揚げ物をつくるには油を適温に保つ必要があることがわかりました。

では、油の性質がわかったところで本題の美味しく揚げ物ができる鍋の選び方を紹介していきます!

 

揚げ鍋は深くて油をたっぷり入れられる形状を選ぶ


冷めた食材を油に投入すると、ただでさえ冷めてしまいやすい油はどんどん冷めていってしまいます。

ただし「油の冷え」は油の量が多ければ多いほど緩やかになり冷めにくくなります。

揚物は、食材を入れてから1、2分(長くても4、5分程度)の短期決戦調理法、冷めてしまう前に仕上げるのが大事。

全体の油の量が多ければ温度を下げるためには、冷ますためかなりの熱量が必要となります。

それこそ、ちょっとやそっとの食材を投入しても影響が出ないぐらい油を使えば良いのです。

勿体無いと思わずたっぷり油を使うことが美味しく揚げ物を調理する秘訣。

揚げ鍋を選ぶ際は、できるだけ油の量を多く入れられる鍋を選ぶようにしましょう。

 

 

専用の揚げ鍋と中華鍋だとどちらが良いか?


揚げ物調理に使われる鍋の底の形は、揚げ物専用鍋に見られる「平底」と中華鍋の「丸底」があります。

丸底の特徴は少ない油で揚げた場合、平底に比べて少ない油で深さを出すことができます。

揚げ物は食材に均一に熱を伝えて、加熱ムラをなくすためには食材を油に浸すのが大事というのはお話しました。

丸底の中華鍋のように少ない油で食材を浸すことができるので、ちょっとだけ揚げ物をするんだというときは非常に便利な揚げ鍋として使えるでしょう。

しかし、丸底の中華鍋で油を熱すると真ん中の油が深い部分と周りの油が浅い部分とで温度の上がり方、下がり方が違ってしまうため、食材を落とす場所によって大きな加熱ムラが起きて揚げ具合が変わってしまいます。

揚げ物をつくる量が少ないのであればまだいいのですが、ある程度量を多くつくるにはかなり時間をかけなければできないでしょう。

やはり「餅は餅屋」ではないのですが、平底の専用揚げ鍋を使うことをおすすめします。

揚げ物を作る量はほんのチョットだけだし、たまに使うぐらいだからいいんだよという方なら、中華鍋でもいいと思いますが。

 


揚鍋はできるだけ板が分厚い鍋を選ぶこと


油の温度を冷めにくくするためには、油の量が多くすることだけでなく鍋自体に熱を蓄えておける「保温力」も重要となります。

油の量に加えて、鍋自体が冷めにくい性質を持っていることで油を冷まさず美味しく揚げ物ができるようになるのです。

金属は厚みがあればあるほど熱を蓄えておける保温力が上がります。(鍋は重くなっちゃいますが。)

つまり、できるだけ分厚くて重い鍋を選べば多くの熱を蓄えておける鍋となるのです。

鍋に熱を蓄える力がないと、食材を投入したら鍋の温度がすぐに下り、油の温度がどんどんと下がっていってしまいます。

熱を蓄えておける鍋であればちょっとやそっと食材を投入しても温度を保つことができます。

ホームセンターに売っている揚げ鍋と、かっぱ橋にあるような料理道具専門店で売っている揚げ鍋の一番の大きな違いは

鍋自体の板の厚さの違いです。

ホームセンターで売っている揚げ鍋は確かに安くて手に入れやすいというメリットがあるのですが、

板厚が1mmにも満たない極薄板のものだったりします。

化粧箱・パッケージに揚げ鍋や天ぷら鍋と書いてあったとしても、揚げ物調理を美味しくつくれるように手助けしてくれるものではないでしょう。

ちなみにプロの料理人は銅製や鉄製の揚げ鍋を好んで使っています。

これは、銅や鉄には金属自体に熱を蓄えておける力が非常に強い金属で油の温度を冷ましにくい特徴があるのは多きな理由なのですが、

業務用の揚げ鍋は非常に分厚く作ってあるので、ただでさえ保温力が高い銅製や鉄製の揚げ鍋が保温力抜群の揚げ物調理をするのに理想的な鍋になるのです。

もちろん分厚く加工するためには、高い技術が必要となり素材もより多く使うようになります。

プロの料理人が銅製や鉄製を好んで使い、それらの道具がホームセンターの鍋より圧倒的に値段が高いのはちゃんとした理由があるのです。

 

 

揚げ鍋の金属はどんなものが良いか


揚げ鍋の材質を考えるときに考えるのが金属の「保温力」と「油の劣化への影響」です。

まず保温力ですが、これは先ほど話したように鍋自体の板厚が厚ければ厚いほど保温力が高まります

そして、次に大切となるのが、鍋に使われる金属自体が持つ保温力です。

よく揚げ鍋に使われる材質には以下の5つがあります。

1.銅
2.鋳鉄(鉄瓶で有名な南部鉄はこれ)
ちゅうてつと読みます
3.鉄
4.アルミ
5.ステンレス

この5つの中で、もっとも熱を貯めこむ力が強くて保温力が大きい金属は銅です。

一流の和食処などで銅製の揚げ鍋が好んで使われているのは、鍋自体に多くの熱を蓄えておけるため食材を投入しても油の温度が下がりにくく料理人が狙った味、食感を表現しやすいからです。

銅製の揚げ鍋以外では揚げ物調理はやりたくないという強いコダワリを持つ方もいるほどです。

銅の次に、金属の保温力が高いのは鋳鉄。

鋳鉄といえば南部鉄製の鉄瓶が海外でも高い評価を得て大人気となっていますが、本格的な料理人の間では鋳鉄製の揚げ鍋こそ最良と言われ昔から高い人気がありました。

その次に保温力が高いのは鉄製。

銅製や鋳鉄製に比べて保温力は劣りますが鉄製の揚げ鍋は安価で手が出しやすく、多くの飲食店で使われています。

そのあと続くのがに、ステンレス。

そして5つの中で最も保温力が低いのはアルミとなります。

美味しく揚げ物をつくるのに理想的な条件は

1.「たっぷりの油が入れられること」

2.「鍋に高い保温力があり、油を冷ましにくくしてくれること」でした。

この条件からいくと、最も揚げ物を美味しく調理することができる理想的な揚げ鍋は

銅製でできていて分厚い板で加工されている揚げ鍋ということになるでしょう。

その次に理想的なのは、鋳鉄でできた分厚い揚げ鍋となります。

ただし、銅製と鋳鉄や鉄製の揚げ鍋は保温力が高いという絶大なメリットがありますが、

揚げ物をする上で大きなデメリットもあります。

もーなんだよー。まだあるのかよー。となるかもしれませんが、これが最後なのでお付き合いください(*^_^*)

 

 

油を劣化しやすくする金属があるって本当?

 

油は揚げ物をやればやるほど、どんどん劣化してベタベタと粘り気が出てくるようになります。

この油の劣化は使用回数に影響されるのですが、使う揚げ鍋の材質も大きく影響されます。

よくある揚げ鍋に使われる5つの材質は以下のとおり。

1.銅
2.鋳鉄
3.鉄
4.アルミ
5.ステンレス

プロの世界で昔から銅製や鉄製が好まれて使われてきた影響で銅製・鉄製は揚げ鍋に良いという話が一般的となり、

ご家庭でも銅製や鉄製の揚げ鍋を好んで使われるようになりました。

でもあまり知られていないのですが、銅と鉄、鋳鉄は油に触れると急激に油を酸化させ傷めてベタベタにしてしまうというデメリットがあります。

中でも銅は最も油を劣化させやすい材質であるというのが実験により確かめられています。

なんでも一長一短があるものです。

ちなみに最も油を劣化させにくい素材はアルミ製なのです。

次いで、ステンレス製。

そのあとに鉄製となり、最も油を傷めやすい金属として銅製が続きます。

先ほどの保温力が高い金属の順番の逆となってしまうのです。

ただそれでも料理のプロが銅製と鉄製の揚げ鍋をなぜ好んで使うかと言えば、そこには大きな理由があります。

それはプロの飲食店の場合(特に揚げ物が美味しいと言われる繁盛店)、一日の営業が終わったらそれまで使っていた油を捨てて、劣化した油で次の日に調理が行われないように常に新しい油が使っています。

そのため金属による油の劣化をさほど考える必要がないのです。

美味しい揚げ物をつくってお客様を喜ばせたいという意識の高い店ほど油の劣化には厳しい目を持っています。

一方ご家庭の場合、揚げ物をやるたびに油を捨てるというのはあまり経済的ではありません。

多くのご家庭ではオイルポットなどに油を保管して2度、3度と再利用しているのではないでしょうか。

そういった油を再利用するなら油の劣化を早めてしまう銅製や鉄製より、アルミ製かステンレス製の揚げ鍋を選ぶほうが良いでしょう。

アルミやステンレスの鍋は保温力に問題があり、油の温度を下げてしまうのは先ほど話しましたが、最近では多層鋼と呼ばれるステンレスとアルミを何重にも重ね合わせて鍋の保温力を高めたという製品が出ています。

国産であれば、宮崎製作所さんのジオ・プロダクト。海外製だとビタクラフトさんの製品がステンレスとアルミの多層鋼で保温力もしっかりしてオススメです。

こういった鍋を選ぶことで、油の劣化を抑えて、保温力も高い鍋を使うことができるようになります。

 


タイプ別おすすめ揚げ鍋


1.油が劣化する前に頻繁に新しい油を入れ替えられるのであれば、揚げ物調理自体に適している銅製が最もオススメ。


2.油が劣化する前に頻繁に新しい油を入れ替えられるけど、銅製は高すぎるなぁという方は、鋳鉄製がオススメ。


3.油が劣化する前に頻繁に新しい油を入れ替えられるけど、銅製も鋳鉄製も高すぎるよというなら鉄製を選びましょう。


4.油は大事!ちょっと高くても長く使える道具が欲しいという方は、多層鋼の揚げ鍋がオススメです。


5.油は大事!でもできるだけお手頃な価格がいいという方は、ステンレス製の揚げ鍋がオススメです。


6.油は大事!価格が安ければ何でもいいという方は、ホームセンターや雑貨店でよく売っているアルミ製の揚げ鍋が手に入りやすいですよ。

 

終わりに


タイプに合った揚げ鍋を選び、美味しい揚げ物をつくるための理由がわかれば、今までよりもっと美味しく揚げ物ができるようになるはずです!

美味しい揚げ物で家族、お客様をびっくりさせてやりましょう!

揚げ鍋の選び方でご不明な点がありましたら気軽にお問い合わせくださいね^ ^